2024年7月25日木曜日

儀同三司母の和歌

相変わらず暑い日が続く。

一昨日は藤原兼家の妻、右大将道綱母の和歌であったが、今日は兼家の長男(道長にとっては兄)藤原道隆の妻、儀同三司母(ぎどうさんしのはは)=高階成忠の娘(貴子)の和歌である。
儀同三司とは、儀式の格が三司(太政大臣・左大臣・右大臣)と同じと言う意味で、作者の長男(藤原伊周=大河ドラマでは憎まれ役)が自称に用いた。


「忘れじの 行く末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな」

いつまでも忘れまい、とおっしゃるそのお言葉が、遠い未来までは頼みにしがたいので、そのお言葉のあった今日と言う日を最後とする私の命であってほしいものです。

詞書には「中の関白(藤原道隆)通ひはべいけるころ」と、あるそうである。

道隆が婿として通い始めた結婚当初に詠まれたもので、常に男の訪れ待つしかない立場の女性としては、恋が成就した今日という幸福感を言い表しているとともに、いつかは忘れ去られるのではないかという不安も感じている。
 

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