文明人は資料を保存し、野蛮人は資料を保存しない。
ここでいう文明人とは古代アジアにおける中国人であり、野蛮人とはモンゴル人などの当時の周辺民族のことであるが、実は「資料軽視という伝統は日本にもあるんです」と司馬さんはいう。さらに「野蛮と文明の違いは後世を意識することですね。野蛮人は今現在しか思っていない。」とも。
たとえば、日露戦争は「なけなしのポケットマネーで戦争をやって、きわどいところで勝った。しょせんロシアにとっては辺境の出来事で、ポーツマス条約は戦勝国日本として、考えらないほど貧しい条約だった。文句があるならもっとやるぞというのがロシアの姿勢で日本とってはあれが限度であったのだ。」ところが、正しい資料を公開しない日本は本当の国力を隠して、後に勝ち目のない太平洋戦争につっこんで行くのである。
この資料軽視の指摘は最近の公文書問題に揺れた現代に当てはまるようだ。
「資料隠し」は日本の伝統であり、もっともなことなんだね。
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