2019年11月26日火曜日

「ほだし」と「きづな」

三年生の古典演習問題の中に、「ほだしまでこそおぼさざらめ」を口語訳せよという問があった。

解答は「(仏道修行の)妨げとまではお思いにならないだろうが」であるが、ここでは「ほだし」の意味が分からないと解答することが出来ない。

さて、「ほだし」とは何か?
古語辞典では
①手かせ・足かせ・綱などの道具。
②心を引き止めるもの・自由を束縛するもの・障害となるもの。
とある。
「ほだし」は名詞であるが、現代語でもよくつかわれる言葉には、「ほだされる」がある。
これは、「情に引きつけられて、心や行動の自由が縛られる」
「情にひかされて自分の考えにない行動をとる」の意だ。

ところで、面白いのは「ほだし」を漢字で書くと、「絆」となることだ。
「絆」は「きづな」とも読むのである。(古語辞典では「きずな」ではなく「きづな」なのです。)

では「きづな」とは何か?
同じく古語辞典には
①馬・犬・鷹などをつなぎとめるための綱。
②人と人との断ち切れないつながり。断ちがたい情愛。
とある。

うーん、一つは「自由を束縛するもの」であり、一つは「断ちがたい情愛」なんだね。
「絆」は表裏一体なのだ。
何か分かる気がするね。




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