今、三年生の古文で講義している枕草子の「木の花は」の中に、「桜は花びら大きに、葉の色濃きが、枝細長くて咲きたる」の部分がある。
意味は「桜は花びらが大きく、葉の色が濃く、枝が細長く咲いている(のがすばらしい)」であるが、実はこの部分、当時の桜の花を観賞する態度としては、きわめ特殊なのである。
平安時代に編纂された古今集などの和歌には、遠くから桜を眺めて全体としての桜を観賞する、あるいは、散っていく花びらを惜しむような和歌がほとんどであり、花びらをズームアップするような見方はまず見られない。
解説書では、ここに清少納言の特異性があると言うのだが。
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