今日の朝刊の「折々のことば」には、澁澤龍彦の小説「高丘親王航海記」の中からつぎのような一文が引用されていた。
「病める貝の吐き出した美しい異物、それが真珠です。」
うーん、なかなかインパクトのある言葉だ。
「病めるもの(異物の侵入)から吐き出された」ものが、「美しい真珠」に変化するのである。
ワタシもこの言葉を信じていたのであるが、ウィキペディアを見てみると、どうもこの言葉は誤っているらしい。
ウィキペディアにはこうある。
「小石や寄生虫などの異物」が、貝の体内に侵入した時に外套膜が一緒に入り込む結果、真珠が生成される。そのため「異物の侵入が真珠の成因だ」とする説が一般的であったが、これは誤りである。
実際は、「貝殻成分を分泌する外套膜」が、貝の体内に「偶然に入りこむ」ことで天然真珠が生成されるのだと言う。
さらにコトバンク補足すると、こうなる。
真珠がどのようにしてできるかは、古くから多くの人の関心事で、さまざまな説が唱えられてきた。それらは大きく分けて、体外から異物が侵入しそれが核となって真珠ができるという説と、貝殻を形成する外套膜(がいとうまく)の上皮細胞が分離して体内の結合組織の中に侵入することがおもな成因とする説である。前者は、真珠の生成にはなんらかの核が必要であるとするもので、たとえば吸虫などの寄生虫が体内に入りその周りに真珠層が被包したとする。このほかに核となるものとしては砂粒や受精しない卵細胞なども考えられた。また、後者の説は、真珠の生成には核は必要でなく、外套膜の上皮細胞が自然に分離して体内に陥入した結果であるとする。
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