ひさしぶりに図書館から本を借りてきた。借りた本の中には「日本人なら知っておきたいお寺と神社」というのがあって、これがなかなか面白い。見出しに「あの仏像が秘める深い意味と教え」の項があり、いくつかの仏像が紹介されていた。その中に「奈良法隆寺金堂・救世観音像」がでていた。
この仏像は、法隆寺において長年秘仏となっており白い布で覆われ、寺の僧さえ見ることがなかった。ところが明治17年(1884)アメリカ人のフェノロサと岡倉天心によって、この秘仏は強引に人の目にさらされたのである。背丈が180センチ近くあって、身体のかたちは独特でやや扁平、S字状のポーズをとっている。「救世観音」というのは、正式な名称ではなく、「上宮王(聖徳太子)等身観世音菩薩像」が本来の名称だと言う。聖徳太子というのは、結構大男だったのだろうか。顔は目が見開かれ、口元はニヤッとした感じで妙に愛嬌があるのだが、角度を変えると恐ろしい顔にも見え、不気味とある。(私が実際に見た時にも、何か不気味な印象をもった。)
実はこの仏像、1227年大講堂に、この仏像の模像が造られることになった。しかしながら、その仕事をした仏師が、彫り終えたその場で死んでしまった。そのため、これは見てはいけない仏像ということになり、秘仏となったそうだ。
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