現在、現代文の授業で「個性とは」という養老猛司の文章をやっている。これがなかなか面白い。日本人は「個性」というと、心の属性であると考える(「あの人はとても個性的な考え方をする。」などという言い方をよく聞く。)が、それはまちがっている。何故なら、心は脳の機能であり(よく考えると心というのは脳のことだ。)、さらに脳の機能(例えば教育とか常識など)には共有性がなければならない。したがって、「個性を心」と考えると、矛盾が生じてしまう。個性に共有性があるということになってしまうのだ。共有でないから個性というのだ。
「個性=心=脳の機能=共有性」は、成立しない、矛盾するでしょうということだ。
では、人間の個性とは何か?それは身体だというのが養老猛司の答えである。自分が自分であることの証明は身体によって明らかになる。(現在、自分を確実に証明できるのは、DNAや目の光彩などの身体である。)したがって、人間の個性とは身体なのである。
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