ビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」なる、ちょいと題名の長いアルバムがあるのだが、その中に「ア・デイ・イン・ザライフ」という、これもちょいと変わった曲がある。実は「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」というのは、私にとってビートルズではなくて、ウエス・モンゴメリーという黒人のジャズギタリストの印象が強い。学生時代、仲の良かった友人のアパートを訪ねた時に、その友人の部屋の近くに住んでいた人が、よくこのウエス・モンゴメリーのレコード「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」をかけていたからだ。(もっとも私が好きだった曲はタイトル曲の「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」よりもブルージーな「男が女を愛する時」であったが。)
ところで、今日ジャズ評論家中山康樹の本を読んでいると、面白いことが書かれていた。ビートルズの「サージェント」が発売されたのは1967年6月2日なのだが、なんとウエス・モンゴメリーは、その4日後の6月6日に「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」を録音したのだそうだ。何がすごいのかというと、ウエスのアルバムはバックにストリングスが入っている。ということは曲が渡された後にストリングス用のアレンジをしなければならず、このような短期間では凡そ不可能であり、恐らくビートルズの「サージェント」が発売される前に「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」はウエスの側に渡っていたことになるのだ。ビートルズ側がよほどウエス側を信用していなければこんなことはあり得ないと。
今夜、久しぶりにその学生時代の友人の声を、電話で聞いて楽しい時を過ごした。
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