2012年5月4日金曜日

挨拶

先日、職員室で勢いよく「あいさつ」をする生徒がいたので、「それだけ良い『あいさつ』をするのだから『あいさつ』と言う字を漢字で書いてごらん。」とへんな言いがかりをつけて、漢字を書かせてみた。生徒にこう言ったものの、よく見ると「あい」も「さつ」もとてもへんな字だ。漢字で書くと「挨拶」であるが、どうもイメージがしっくりいかない。そのうちに、この字が気になりだして、とうとう語源を調べてみることになってしまった。
 語源辞典に曰く、禅宗で問答を交わして相手の悟りの深浅を試みることを「一挨一拶(いちあいいつさつ)と言った。ここから一般に問答や返答の言葉、手紙の往復などを「挨拶」というようになった。「挨」も「拶」も本来は「押す」という意味で、「複数で押し合う」ことなのだそうだ。
 つまり、「挨拶」というのは、まず言葉を投げかけて(「音」の場合も「字」の場合もある。)、お互いに相手の様子を窺うことなのだろう。
 件(くだん)の生徒が、「挨拶」と正しく書けたのは、勿論(もちろん)である。

0 件のコメント:

コメントを投稿