ヒガンバナのように「私の立ち姿を見て」と訴えかけてもこないし、キンモクセイのように「この香りを楽しんで」と主張するでもない。静かに、秋を告げる。それがハギである。
しかし、万葉の昔には、人々の視線を釘付けにする花だったようだ。
万葉集で最も多く歌われている植物がハギで、140首を上回る。「秋風は涼しくなりぬ 馬並めていざ野に行かな萩の花見に」。
詠み人知らずの歌にあるのは、連れ立って馬に乗り、ハギを見に行く楽し気な様子だ。花見と言えばサクラではなく、ハギかウメだった。
左の写真は先日「平和公園」で撮ったハギである。確かにこの花は「静かに、秋を告げる」花である。
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