2020年12月2日水曜日


昨日に続いて花札の札である。

花札の中には「雨」という札(上の札の右から二番目)があり、これには11月の札であり、絵には小野道風と蛙が描かれている。

小野道風と言えば平安時代の能書家であり、幼いころ柳の枝に蛙が何度も何度も飛びついているのを見て、自分も「蛙同様に努力しなければ」と思い、これ以来努力を重ねて有名な書家になったという逸話を持つ人物である。

さて、ここで疑問であるが、博打に使われていた札に何故「道徳の見本」のような、小野道風が登場してきたのだろうか。

いろいろ調べてみると、この11月の札、明治時代までは小野道風ではなく斧定九郎(おのさだくろう)という歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」に登場する悪役浪人であり、架空の人物だったそうだ。しかしそれが(明治政府の意図なのかどうか)、悪人が努力の人となったようである。

博打であれば、悪人「斧定九郎」の方が適しているような気がするのですがね。



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