「伯楽」という言葉がある。
現在は「資質の優れた選手などを見出し、それを上手に育てる人」の意で使われる言葉のような気がするが、その出典を読むと、多少の違いがあるようだ。
次週のN西の土曜講習のテキストは、韓愈の記した「唐宋八大家文読本」であるのだが、その「温処士の河陽軍に赴くを送る序」に「伯楽」の記述があって、そこにはこう書かれている。
「伯楽一度(ひとたび)冀北(きほく)の野を過ぎて、馬群遂に空し」
(馬の鑑定名人である)伯楽がひとたび、冀北の野を通り過ぎると、馬の群れは無くなったという。
つまり、伯楽は馬のことが良く分かっていたので、群れの中の良馬に出会うと、そのたびごとにそれを取ってしまい、群れの中に良馬を残すことがなかったということだ。
実際の「伯楽」というのは、能力はあるが、どうも自分勝手な人間のようだ。
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