新潟の友人から「キリンの子」という歌集を紹介された。
作者は「鳥居」、苗字だけの年齢不詳の作者だ。
キャッチフレーズは「セーラー服の歌人」である。
セーラー服の歌人などいうと、中・高校生あたりが、「青春の思い」を綴った歌集のように想像してしまうのであるがトンデモナイ。
その生い立ちがスゴイ。
二歳の時に両親が離婚、小学校五年の時には目の前で母に自殺され、その後は養護施設での虐待、ホームレス生活などを体験。
義務教育もまともに受けられず、拾った新聞などで文字を覚え、短歌についてもほぼ独学で学んだという。
手元に歌集がないので、ネットで拾った歌を載せてみる。
・目を伏せて空へのびゆくキリンの子 月の光はかあさんのいろ
・揃えられ主人の帰り待っている飛び降りたこと知らぬ革靴
・慰めに「勉強など」と人は言ふ その勉強がしたかつたのです
・花柄の籐籠いっぱい詰められたカラフルな薬飲みほした母
・ふいに雨止むとき傘は軽やかな風とわたしの容れものとなる
0 件のコメント:
コメントを投稿