今年の写真展のコンセプトは「下から目線」である。以下その理由を書いてみる。
「下から目線」
自分の写真をよく見てみると、ほぼ全てが「下から目線」であることに気がついた。「下から目線」、勿論(もちろん)このような言葉はない。あえて言うなら「下から視線」と言うべきである。国語辞典を引いてみると、「視線」とは「及ぶ視力が直伸する線」とある。すなわち、「主体が見ている対象と眼点を結ぶ線」が「視線」だ。
由緒正しき言葉「視線」であるが、なんとなくエラそうである。それに対して「目線」というのは、もともと芸能界の業界用語であったらしい。(業界というだけで、なんとなくイカガワシイ臭いがする。)それがテレビ全盛・カメラ全盛となる1990年代になって市民権を得て、盛んに使用されるようになったという。
「目線」は所謂「俗語」である。しかしながら、この「目線」という言葉、イカガワシクても私はなんとなく好きだ。そして「下から目線」は、さらに好きだ。(自分で勝手に造語しておいて、好きも何もないのだが。)大体、この言葉は謙虚である。「上から目線」というと、やや横柄な言葉があるが、それに比べれば実に謙虚である。そして、「下から」というところにやや卑猥さが感じられる。この謙虚さと卑猥さが同居するところが良いのかもしれない。
(写真は客が途切れたので、ネイルアートで遊び始めた受付嬢。)
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