チック・コリアは、まさにワタシにおけるジャズそのものであった。
1970年、当時学生であったワタシは、チョイと大人の雰囲気を持ったジャズに惹かれ始めていた。そしてスイング・ジャーナル(ジャズの月刊誌)を片手に、誰のレコードを聴くべきか、悩んだ末に辿り着いたのがチック・コリアだったのである。
彼を理解するには、初期のアルバム4作品を聴くのが良いと思う。まずは1968年の『ナウ・ヒー・シングス、ナウ・ヒー・ソブス』 - Now He Sings, Now He Sobs、(これはピアノトリオの作品であり、ビル・エヴァンスの影響がうかがわれるが、技術的には別物でありかなり高度なものである。)
次に1971年1月の『A.R.C.』デイブ・ホランド、バリー・アルツシュールと共同名義、(いわゆるフリージャズである。非常に理屈っぽい演奏であり、聴くと疲れる。しかしながら当時のチック・コリアのエネルギーが感じられる。)
さらに1971年4月の『チック・コリア・ソロ Vol.1』 -piano Imrovisation Vol.1、(これはクラシックの範疇に入れても良いのでは、と当時のワタシは思っていた。)
最後に1972年『リターン・トゥ・フォーエヴァー』 - Return to Forever ( 世界的にヒットし、こういうジャズもあるのかと思わせた。)
基本的なピアノトリオ、フリージャズ(前衛ジャズ)、ピアノソロ、コンボ(グループジャズ)、すべてにおいてチック・コリアは優れていたのである。
余談であるが、上の写真は『リターン・トゥ・フォーエヴァー』のジャケットであるが、ワタシは・・・というより、このアルバムは「カモメのアルバム」で通っていた。しかしながら、つい最近写真に写っているのは「カモメ」ではなく、「カツオドリ」だということが分かった。「カツオドリのアルバム」より「カモメのアルバム」と言ったほうが素敵なんですがね。
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