2012年10月8日月曜日

さらに写真展

 さらに写真展 

漢文の講習において、「捜神記」の漢文を講習した。
以前にも「捜神記」については書いたことがあるが、日本の古典でいうならば、「今昔物語」のような性格をもった作品ではないかと思う。
 今回の話は、ある男が冥界(あの世)の役人と出会い、その役人が持っていた死者の名簿を見てしまう。その名簿の中には自分の名があった。驚いた男は役人に延命を願いでる。すると役人は、ふたつの条件を付けて、それができるようなら助けることを約束する。ふたつの条件とは、名簿を見たことを他言しないこと、これから三年の間、家から一歩も外に出ないことである。
 さて、男は言われたとおりにしていたが、三年めが近づいたある日、隣の家で人が亡くなる。今まで、男が外に出ないことを疑問に思いつつ、我慢していた家人もここに及んで、男を責め立てる。「葬式に出なさい。」そして意を決した男が家から外に出たとたん、役人がやってきて男を冥界に連れ去る。




この話を読んでいて、「はっと」思った話がある。それは、日本の落語の中にある「死神」という話だ。この話は、何をやってもだめな男が、老人の姿をした死神と出会い、死神にいろいろ助けてもらうのだが、結局、死神を裏切ってしまい、自分の命を落としてしまうといった話だ。
 テーマは両方とも、「約束を違えると命取りになるぞ。」なのであろうが、なかなか考えさせる話であった。

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