2025年2月9日日曜日

をかし

古文でよく使われる形容詞に「をかし」、また形容動詞に「をかしげなり」がある。

古文での「をかし」「をかしげなり」の意味は、

①滑稽である。                  ②趣きがある。風情がある。            ③愛らしい、美しい。               ④怪しげ、変。

などがあるが、現代語で使用されるのは主に①と④だ。「あの人はおかしい」と言えば、「あの人は滑稽(面白い)」か「あの人は怪しい・変」の意である。

ところが古文となると、①や④よりも②と③が多くなる。

例えば、枕草子の「雨など降るもいとをかし」は②「趣きがある」
の意味であるし、源氏物語の夕顔などでは「御枕上にいとをかしげなる女居て」は③の「美しい」の意となる(滑稽な女がいたのでは話を壊してしまうであろう)。

現代語と古語でその使用される意味を比べてみると、結構偏りのある言葉だ。



 

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