梵鐘では突き棒があたる部分を「撞座(つきざ)」という。そしてこの「撞座」の位置は千年以上かけて下へ下へと移動してきた。従って音色も「ジャーン」や「カーン」という高音から、徐々に「ゴーン」という重低音へ変わっていったのだそうだ。
梵鐘は仏教とともに日本に伝わったのだが、最初はスリムなものが多かった、それが時代を経て裾に向かって分厚くなるずんぐり形が増えていったという。つまり、このずんぐり形によって余韻のある音になったということである。
これは日本文化の中心をなす「わび」とか「さび」の精神と無関係ではあるまい。やはり、除夜の鐘は「ゴーン」なのである。
(写真は、御殿場平和公園にある梵鐘。)
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